毎日太陽が昇り、沈む。
その位置が日々変わってゆく。
でも毎年、同じ日に、同じ位置に戻る。
一年で季節を巡る。命のリズムの繰り返しだ。
そのリズムは、母なる地球が、父なる太陽の周りを大きく回るときのリズムだ。
今日も山の稜線に、太陽が姿を消してゆく。
太陽の動くスピードは、悠久の昔から変わらない。いや、太陽は動かない。
この地球が回転するスピードだ。地球が自転するときの小さな命のリズムだ。
宇宙にぽっかりと浮かんで、堂々と回転しているこの星。
時計を外して、そのスピードを自分の身体とシンクロ(同期)させるんだ。
難しいことはない。それが本来の時の刻みだから。この星で生きる全ての命、森羅万象このスピードで回りながら、宇宙を旅しているのだから。
偏屈な炭やき木こりは、日々そんなことを宇宙(そら)に想い馳せながら、名も無き山の懐で暮らしているのです。