木の命を、人間の都合で奪ってしまうという行為。山に対し、木に対し、畏敬と尊厳を感じつつ、事情があって伐ると決めたら、こちらの都合で寝てもらう。
僕がコントロールして僕の搬出の段取りに合わせて、都合のいい場所に寝てもらうんです。
畏敬の念を持ちつつ、重力に逆らってコントロールするのが木こりです。気合入れて対峙しないと、本当に命を取られます。木を倒すって、チェンソーで木の重心を変えながら、力学的に木の先端にモーメントを与えて、道具で引っ張ったり、矢やジャッキで起こしたりします。
でも、最後は祈ります。木が倒れ始めたら、何をしても間に合わない。退避するだけです。母なる地球に引っ張られて、倒れてゆきます。その木の最期に立ち会うのが木こり。だからこそ、それをちゃんと使わせてもらうって、感謝の気持ちが無いといけないと思うんです。