いくら浄化に贅を尽くしても
私たちは山が水を生むようには美しい水を生むことはできない
とどのつまり、水を守るには山を守るしかない
そして、その山を守るには、山を守る人を守るしかない
師匠の小屋にある日、掲げられた言葉です。師匠は、これを黙って僕に読ませたかったのでしょう。
僕に道を示してくれました。
「お前も、人から守ってもらえるような人間になれ」と。
しかし、具体的な教えはありませんでした。自分のことは自分で考えてやれと。
師匠は熱い人でした。本物でした。
僕の行動や言葉の中心に、この言葉が根付いています。
炭やき、木こり、そして木挽き。全てがここに向かう仕事だと、それはもう信念みたいなモノで、
何で山仕事を選んだのですか?と聞かれたときの僕の答えがこれです。おこがましいけれど、命の水を守りたい。
僕が死ぬまで細々と灯し続けてゆく、決して消えない炎です。