工場のある集落内にある、林さんの家横で伐った大きなスギ(危険木伐採補助金案件)。それを、名古屋市内の保育施設にそのままの姿(皮付き8m 枝を30cm残す)で据える事になり、軒下に収めるための造作が必要になった。同じ集落内の頼りになる大工の三郎さんに来てもらって、生木しかも皮付きの状態で墨付け、刻みをお願いした。相当難儀な仕事なのに、三郎さんは嫌な顔もせず、むしろ楽しんで仕事をしてくれた。
林さんも朝から手伝いに来てくれて、三人で始めたんだけど、三郎さんと林さんは幼馴染み。僕の工場がまだ田んぼだったころ(50年以上前)から知り尽くした場所。懐かしい話をしながら、僕はそれをニコニコしながら聞いている。
三郎さんにも大工手間を支払うし、林さんにも原木代を支払う。もちろん、僕も利益の出る仕事。
今回の木は、全幹で寝かせてあり、元から9mの先部分。大きな節もあるし、少し曲がっているので利益の出ない木。それが、特別な設えを施す事で、立米単価で言えば板や柱にする5倍くらいの値段になった。これが、街中の子供たちが見て、触って、木のぬくもりを感じることになる。
僕は自治区の定住促進部や、旭地区の定住委員、町内では会計など、地域のお役もたくさんやっているけど、地域貢献とは、本来本業で行うものだと思っている。
移住者はヒーローになる必要などなく、「地域のため」などと、称賛を求めるような卑しい活動をするのは違う。
地道に、寡黙に本業(できれば一次産業)で地域に貢献するものだと思っている。
二人の大先輩と、僕の工場で仕事をしながら、たまらなく幸福な気持ちになれた。
山の恵みを、都会の子供たちに届ける事。
命ある一本の木を、伐採から搬出、仕上げて配達する。
僕はこの仕事しかできない。
けれど、この仕事は僕にしかできない。



