ツイッターでとても興味深い言葉を見た。ジブリの鈴木敏夫さんの言葉だ。
「テクノロジーの発達にともない、それに合わせて、みんなが「進化」を強いられて苦しい思いをしている」
うーん、と唸ってしまった。元列車運行管理システムSEとして、テクノロジーの最先端の少し手前で頑張っていた身として、確かに「進化」を強いられていた。日々、新しい技術を学び、それを使うことで、速く、大量のデータを処理できるようなシステムこそがいいと信じていた。
そんな毎日に誇りを持っていたけど、ココロの真ん中にある山への想い、「頑固で楽天的なジジイになる」という自分の未来を考えると、やや突発的に(自分の中ではロジックがちゃんとあったけど)木こりになって、炭をやく日々の中で、僕は今の仕事こそが「最先端・最前線」だと確信して、その頃(15年くらいまえかな)はそんな事を偉そうに人に語って歩いていた。
今では、自分のしていることに自信が出てきたので、黙って市井の職人として、山に向き合う日々を送りたいと考えている(フェイスブック、ホームページのブログだけ発信しています)。
鈴木さんの言葉は、僕の心臓を掴み、僕が正しいと思う道に導いてくれる。何てありがたい。
スマホやコンピュータ無しでは暮らしが成り立たなくなっていて、車が無ければ仕事にも行けない。周りにはいくらでも耕作地があるのに、時間が足りないという後ろ向きな理由で、スーパーで食材を買う。
偉そうなことを言っても、理想とは程遠い生き方になっているんだけれど、鈴木さんの言葉でふと、我に返る。
「ああ、そうか、俺は俺で、これでいいんだ」と。
実は2015年の春、大工の中村さんが鈴木さんを連れて、僕のフィールドに来てくれて、鈴木さんに紹介してもらった。その時たっぷりと鈴木さんと話をして思った。こんなに大きな器の人って、会ったことない。気さくに話をしてくれたんだけど、真っ直ぐにこちらを見る眼は、正直怖かった。全てを見透かされてしまう気がした。だけど、不思議とそのことに正面から向き合えた。すごく貴重な時間をもらえた。中村さんの人脈が無ければ、実現しなかった時間。その後のジブリ機関紙「熱風2015年11月号」にたっぷりと載せてもらえたことは、家宝になりました。全ては、中村さんのおかげでした。
その模様は、ジブリ汗まみれ、2015年8月17日のポッドキャストで聴けます。https://www.tfm.co.jp/asemamire/index.php?catid=173…tfm.co.jp鈴木敏夫のジブリ汗まみれ – TOKYO FM 80.0 – 鈴木敏夫