本懐

窯を焚いてます。

秋から冬にかけて、危険木伐採の仕事が続いていて、本懐である炭やきができていなかった。在庫はあるので販売はできていたけど、早く窯焚きをしたかった。

幸い、現場で支障になる樫を伐る事も多くて、それは施主にお願いして持ち帰っていた。今、窯に立て込んである樫も、足助、飯野、知立で集めた樫。

明日からしっかり焚きたいので、今夜は焚き口を暖める。売るほどある炭の木尻(窯の床に着いていて未炭化部分があるところ)をたっぷりと焚き口に入れてある。それを燃やす。

排気はほぼ塞いで、吸気もわずかに開いてあるだけ。

それにしても、火を入れてから10分で煙がぐんぐん出てくる煙道は、我ながら素晴らしい。修業時代からの集大成として打ったこの窯。過去最高の窯になった。

夜中の山村、工場の裏の川から聞こえる水音、曇っていて見えないけれど、この日、この時間、工場から見える星はわかっているから、あの雲の上に拡がる大宇宙を想像してみる。

焚き口に入れてあるのは、樫の炭と樫の木っ端。比重の高い広葉樹が燃えるこの匂い。というより、香り。DNAを揺さぶるような、この空気感と音、香り。五感を全て刺激してくれる。

これが俺の本懐だと、何の矛盾も無く言える。

自分名義の工場で、自分が打った窯で(たくさんの人に手伝ってもらった)、自分が伐り出してきた樫を炭にする。

こんな面白い仕事に没頭できる環境に感謝。幸せです。

投稿者: 炭やき人

北三河木こり人、北三河炭やき人、北三河木挽き人

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