炭をやく

炭やきとは、その熱源となる焚き物である木材が、焚き口の中で酸化燃焼した結果、熱が窯の中に入り、還元雰囲気中(吸気で取り込んだ酸素は燃焼で使ってしまう)、原木が熱分解を繰り返して、「炭素=C」の塊に融合してゆく事です。
最初の二日間ほど、焚き物を燃やしますが、一旦暖まった原木は、約300℃、ほぼ無酸素状態で、自ら炭化してゆきます。一週間程で窯の中に立てた原木が全て炭化を終えると、煙が高温透明になり、「炭」の出来上がりです。
炭化温度になった原木は、リグニンなどが柔らかく変化し、熱振動と呼ばれる状態で炭素以外の成分を、水分と共に木口(主に末側)から排出。それが窯の煙道を通って、煙として排気されます。その煙を集めて冷やしたのが「木酢液」です。熱分解をしながら、「炭素」以外の成分は煙として排出された結果、「炭素」だけが残る訳です。その「炭素」は、原木が何十年も光合成を繰り返して蓄えてきた「炭素」です。今、僕が見ている炭火は、太陽エネルギーそのもの。
大地で育った樹木(樫)が、木を燃やした熱で炭化する。僕が行うのは、窯を作り、原木を集め、焚き口に火を入れるだけ。
自然界からもたらされる恵み、「火=太陽光」「風=大気」「土=地球」「水」が反応し合って繰り返される「炭化」という行程。
これこそがダイナミックな動的な営みですよね。しかも、元素レベルの動き。
最終的にできた「炭」は、炭素固定そのものです。


投稿者: 炭やき人

北三河木こり人、北三河炭やき人、北三河木挽き人

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